稀少・70種の100%天然・微量ミネラル
ミネラルホルダー 添加による土壌微生物増殖効果
有機肥料施肥の土壌で推定微生物密度が二ヶ月間で1.6倍に増加しました。
実験の解説
 100 mLのプラスチック容器に砂と土壌改良材(焼成セラミック)を入れて、 芝種 (クリーピングベントグラス)を均等に播種しました。 施肥や灌水間隔、実験温度は上図に書いてあるとおりです。対照区は灌水のみ、化学肥料区 (N, P, K, Mg, Fe, Mn, B)はさらに従来の無機栄養素を添加し、有機肥料区(可溶性炭素化合物:アミノ酸、フミン酸、フルボ酸とN, P, K, Mg, Fe, Zn, Mn, Cu, B)では有機肥料、微量要素とともに尿素を多めに強化しました。 なお、有機肥料区の実験区4(Exp.4)では、さらにミネラルホルダー(ミネラル70種 以上)の粉末を表面に添加しました。 約2ヵ月後、根と土壌を洗浄して、その懸濁液を希釈後、最先端フロー サイトメーターSONY Cell Analyzer (SP6800)で粒子数を計測しました。 対照区の粒子数を基礎粒子数として、化学肥料区ならびに有機肥料区の 総粒子数から基礎粒子数を差し引き、推定微生物数としました。 図中、密度とあるのは、1 mL (cc)中 の粒子数のことを表します。
SONY Cell Analyzer (SP6800)
SONYセルアナライザー
 化学肥料区と有機肥料区の推定微生物密度はそれぞれ約1千万個/mLと約2億個/mLとなり、有機肥料区では約20倍、微生物数が高くなりました。  この理由は有機質肥料が微生物の増殖に貢献したことと、さらに尿素を多く施肥したことから施肥効果が増し、根からの有機物浸出液が増えて微生物の増殖を促進したことが考えられます。また、HCBを添加した実験区4の推定微生物密度は、添加しない実験区3に比べて約1.6倍に増加しており、必須微量栄養素以外の微量ミネラル(元素)の添加効果がうかがわれました。さらに実験区4では芝草の徒長が抑えられ、葉身幅も実験区3に比べて小さく(統計的に有意)、ミネラルホルダーが過剰窒素の吸収を抑えている効果が示唆されました。 以上の実験結果から、可溶性炭素化合物を主体とする有機肥料が土壌微生物の増殖を促進し、また、ミネラルホルダーが微生物の増殖を一層高めるとともに、窒素の過剰な吸収を抑え徒長を防ぐことが推察されました。 実験者:宇城正和、東京大学農学博士、埼玉工業大学先端科学研究所 (宇城ら、2016年日本芝草学会春季大会発表)
実験結果の説明